三田阿房列車

なんにも用事がないけれど、列車に乗って遠くへ行って来ようと思う。旅行記と、日々感じたことを気の向くままに。

雪に弱くなった鉄道

ふとJR西日本の運行情報を見ると、木次線が大雪のため当分の間列車の運転を取りやめると書かれていた。

突然だが、国鉄時代まで時代を溯ろう。1980年代、国鉄の赤字解消を目的としてローカル線の廃線や経営分離が行われた。努力の結果も虚しく、国鉄は1987年にJRグループに分社化されてしまうのだが、まあ良いだろう。
その際の基準として輸送人員をベースに、他の事項も勘案された上で、第1次から第3次までの廃止対象路線が選定された。
「他の事項」として、

  • 代替輸送道路が未整備
  • 代替輸送道路が積雪で年10日以上通行不可能

が挙げられている。

当時、山峡の集落に住む人たちにとっては鉄道の開通は革命的な出来事だったであろう。
しかし、現状を見ると代替道路の整備は進み、積雪で長期間通行不可能になる道路はJR西日本の管内には存在しないように思える。並行して走る国道314号線は通行可能である。木次線の営業係数は827.5。これは100円を稼ぐために827.5円の費用が必要ということだ。長期運休は、積極的に除雪をするのではなく、春の雪解けを待つということであろう。

克雪のために敷かれた鉄道はもはやその意味を果たしていない。そこまでして地方鉄道を維持する意味はどこにあるのだろう。