三田阿房列車

なんにも用事がないけれど、列車に乗って遠くへ行って来ようと思う。旅行記と、日々感じたことを気の向くままに。

登山鉄道とシーサイドエクスプレス

何にも用事がないけれど、列車に乗って姫路へ行ってこようと思う。

三田から登山鉄道 神戸電鉄で新開地まで1時間。
新開地からシーサイドエクスプレス 山陽電車で姫路まで1時間。
片道2時間の小旅行。2つの路線は相反する性格を有している。ひとことで表すと「山」と「海」である。

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姫路へ行く動機の1つが、座って車窓を眺められることにある。往路の新開地以外は始発駅であるから必ず座れる。のんびりとした旅が約束されている。

2016年10月29日(土)、三田駅で「姫路おでかけきっぷ」を買う。通常運賃2980円が1850円になるから得した気分になる。

登山鉄道 神戸電鉄

 三田駅10時23分発 普通新開地行き。先頭車に乗ると他に乗客はいなかった。三田駅から神戸方面へはJRで宝塚へ出て阪急電車に乗り換えるほうが時間・運賃面ともに優位にあるから仕方がない。
 三田駅を出ると2駅で横山。ここからしばらく単線が続く。建設中の新名神高速道路の下をくぐり抜けて二郎駅岡場駅でほぼ座席が埋まる。
 五社駅から有馬口駅にかけてはこの路線のみどころの1つであろう。山の麓に沿って180度カーブして有馬口駅。有馬温泉方面への乗り換えの英語アナウンスが山間のホームに響く。立ち客が出たと思ったら谷上駅で半分くらいの客が降りた。新神戸・三宮へは六甲山を貫く北神急行が速いからだ。次の箕谷では三宮方面のバスに乗ると言って降りていくおばあさんがいた。箕谷駅からは市営バスが出ており、北神急行経由より100円安い。ニッチな需要もあるようだ。
 鈴蘭台を出ると市街地に向けてトンネルとカーブが続く。右手に一瞬開けるダムはこの路線のもう1つのみどころだろう。菊水山駅から歩いて数分の立地にあるが、利用者が少ないため、2005年に休止駅になってしまった。トンネルが途切れて街中に入ったと思うと、地下にもぐって湊川。終点の新開地に着く頃には20人ほどの立ち客が出ていた。

シーサイドエクスプレス 山陽電車

 新開地駅11時24分発 姫路行き普通車。山陽電車は「行き先」「種別」の順でアナウンスをする。狭軌で山岳路線、しかも窓と平行な座席であるロングシート神戸電鉄に比べると、山陽電車標準軌、平地、窓と直角のクロスシートで乗り心地が良い。神戸電鉄クロスシートを導入すべきだと思う。
 須磨からは瀬戸内海を左に見ながら走る。垂水で姫路行き直通特急に乗り換える。「エクスプレス」かどうかは甚だ疑問であるが、並行して走るJRより山側の高い位置に線路が敷かれているから「シーサイド」であることは間違いない。明石海峡大橋を過ぎて明石駅。左ばかりに気を取られていて子午線を通り過ぎたことに気づかなかった。工場地帯をひた走って、山陽本線山陽新幹線の高架橋をくぐり、12時30分山陽姫路駅に到着。

 姫路城と姫路モノレールの廃線跡を見て帰ったが、この日は木枯らし1号が到来し、見事に体調を崩してしまった。